会計学体系の中で経営会計或いは管理会計に対する概念は財務会計であるが、一方、財務会計を定める法規は会計法規である。会計法規は、金融商品取引法、商法、会社法、財務諸表規則、商法施行規則、会社計算規則、会社法施行規則等及び会計基準並びに法人税法等である。
会計基準は法規ではないが会社法431条に「株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。」と規定されていることから会計基準は当然に企業会計の慣行であるから法規会計に含めることとする。この会計法規群の中で財務会計は税法以外の会計法規によって規制されていることになる。
これとは別の概念として会計法規に基づく会計を法規会計と言う。従って、法規会計から税務会計を除くと法規会計は財務会計と殆ど同一になる。しかし、法規会計と財務会計の本質的な相違がある。それは、財務会計は飽くまでもステークホルダーに対して適正に報告するための目的会計であり、法規会計は、会計の目的より法規の解釈と遵守を基に体系づける会計である。法規会計と財務会計とは税務会計を除けば、ほとんど同一の会計であるが会計の見方、解釈に微妙な相違が存在する。それは、財務諸表規則等に基づく財務会計と旧商法規則に基づく法規会計との長い歴史的対立の中に本質を見出すことができるであろう。現在の会計はその対立も調整されたが、法の支配の国であることから当然に会計も法規に従わなければならない。
私たち行政書士は会計業務を取り扱う中で、法律家として、法規を遵守する法規会計の研究に努める使命があると確信した。財務会計、管理会計、税務会計などと異なる、法規解釈を重点とした、或いは法規の立場からの新しい会計研究したいと考えるのである。本来、法規会計は税務会計も含むのであるが行政書士の団体であることから税務会計は研究対象外として法規会計を体系づけ研究したいと考える。
ここに、法規に基づく会計すなわち法規会計の研究と普及を目的として行政書士法規会計研究会を設立する。
平成24年9月1日
行政書士法規会計研究会
協力団体
日本戦略経営学会
上場コンサルティング研究会
日本経営会計協会
日本経営改善指導員協会